舞さんからのメッセージ(2001.11.17)
 

 

舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2001.11.17掲載分)です。

 

 

 山の木ばかりでなく、校舎の周りの木々も少し、赤く染まり始めてきました。でも、寒暖の差が今一つなのでしょうか?この辺の秋はなんだか、赤が燃え切らないうちに、木々がその葉を落としてしまうようで、ちょっぴり寂しいです。そして、一日、一日、日を追う毎に、お日様の顔を見る時間が減っていって、これもなんだか、寂しいです。寮にまだ暖房が入っていなくて震えています。まだ点検中だとかで、冬になってもずっと点検していたらどうしよう(笑)なんて思っています。でも、今まで暑かったら直ぐ冷房、寒かったら直ぐ暖房、と堪え性のなかった自分にとっては、少し我慢する事を覚えるのに良い機会です。レッスン室はちゃんと暖かいので、困りませんが、、。ただ私はどうしても、指が冷たくなる方なので、このくらいの季節になると、演奏の前は指を暖める必要が出てきます。その為、使い捨てカイロが手放せません。
 この使い捨てカイロですが、やはり私が一番暖かくて好きなのは「ホッカイロ」です。もう一つ「たき火」というのも、なかなかいいです。でも、あまり売っているのを見かけませんけどね。このカイロをハンカチの間にはさんで、その中で常に指を暖めていないと指が動きません。ハープという楽器は直接、弦を指の腹の所で弾くので、指ならしが、とても大切です。コンクールの時などでも、自分の番の直前くらいまで、ハープに触らせてもらえるようになっています。小学生の頃「ヤナ ボスコーバ」という、その頃米国のコンクールで優勝した、とてもチャーミングなハーピストと楽屋で一緒になった時彼女はそこのトイレの水道が何故かお湯が出ないと言う事で手を洗う事にとても神経質になっていたのを覚えています。ピアニストもそうかもしれませんが、おそらくピアノを弾く人以上にハープを弾く人は指先に神経を遣う人が多いかもしれません。勿論指先がまめで硬くなるのは、厳禁です。その硬い指先で弦を弾くと、柔らかくて良い音が出なくなります。ですから、つめ磨きは必需品です。ただし磨くのは、爪ではなくて、反対側の指先です。私は暇さえあれば、指磨きをしています。
 今日は、私のレッスン室に、とんでもないお客様がみえて、ちょっとびびってしまいました。お茶の水の方からみえていた学長さんが事務長さんを伴って入って来られて、すわって少し演奏を聴いていかれました。ついでに、拍手もして下さって、世間話なんかもして去って行きました。「あ〜びっくりした」。
 最近時々考えるのですが、クラシック音楽というものの、線引きが分からなくなってきました。お三味線とか、外国の民族楽器、邦楽に使われる楽器などで、演奏されるものもクラシックという分野に入れられています。そう言っている自分も、アルバムの中にロックの曲を入れたりしましたが、今の自分の興味はやはり、本来のクラシック音楽の領域の中で今、聴いても面白いと思ってもらえる物はないか?と言う所にあります。
 私のハープの先生の木村茉莉先生は、今芸大で教えていらっしゃるのですが、初めは私にとっても最初の先生である、ヨセフ・モルナールのお弟子さんで、高校生の時お父様のお仕事で、フランスへ行ってから、ずっとフランスで勉強されていました。本当に優秀な方で、ものすごく頭が良い人なので、教えていただいていても論理的で、言わんとする事がとてもよく分かります。音楽的にも素晴らしく豊かな方で、演奏する姿もきれいです。世界の一流のハーピストのレッスンを受けた後、茉莉先生に教えていただいて、ああ、自分はもうどこにも行かなくていい、やっといい方に巡り会えたと思いました。
 その先生は、とにかく、楽譜をよむ事、演奏する事どれをとっても気が変になりそうなくらい難しい、現代音楽の曲を次から次へと演奏していらっしゃいます。聴く人が少なくても、とにかく演奏して、録音をとって、誰かが後に残さなければいけないから、とおっしゃって。
 私はどちらかと言えば、こてこての現代音楽は苦手ですが、好きであろうとなかろうと、音楽の歴史の一部である事は確かです。そして、それが能力から言って出来る方も大変少ないので、これは尊敬に値します。自分もいつか現代音楽をやりたいと思う時がくるのかどうか?たぶん一生こないかもしれませんが、先生は大好きです。
 前にも書きましたが、寮生活が残り少なくなってきて、だんだん寮での生活が楽しくなってきました。私のルームメイトは、よく食べ、よく運動し、そして何処でも熟睡できるという素晴らしく健康的な娘なのですが、その眠る事が大好きな娘が、最近けなげにも、大切な睡眠時間を削って、ボーイフレンドにマフラーを編んでいます。いつもなら、寝ているはずの時間に眠い目をこすって編む姿はなかなか健気で、見ている方も温かい気持ちになります。
 御近所の部屋の子達が集まっている所で私がカップのうどんを食べていると、これも、スポーツ健康科学部、略してスポ健の子が、「うどんは、すすれ」と言います。それでも、無視して食べていたら、もう一度しつこく「うどんはすすれ!日本人ならずるずる音をたてて食べろ」と言われて、うどんを噴き出しそうになりました。
 頼むから、好きに食べさせてよ!
 それでは、今日はこの辺で、さようなら。

(2001.11.17掲載)

 

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