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舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2001.7.7掲載分)です。
梅雨はあけたのでしょうか?なんだか凄く暑いですね。日本の何処かでは39度を記録したとか、風邪をひいてうんうんうなっている時の体温と同じくらいと考えるとなんだか恐ろしいです、、、あまりにも非科学的ですね(笑)。
ハープという楽器は繊細であまり湿気は好みません。弦も切れやすくなります。ですから本当は暑すぎず寒すぎず年中同じ温度と湿度に保ってあげれれば良いのですが、なかなかそうはいかないものですよね。コンサートの日が雨だったりすると音がよく鳴らなかったりする事もあるんですよ。会場にお客さまが入って来られて、その服の湿気をさらに含んでしまう事もあります。それから楽屋と会場の温度に大きな差があったりすると楽器が汗をかいてしまって、弦がすべって困る事もあります。楽屋と舞台の袖と舞台の上、それぞれの温度が近い程ありがたいのですがこの温度の差はせっかく合わせた弦の音程も狂わせたり、なかなか生の楽器って面倒が多いです。ピアノみたいに調律して下さる方が他にいるのはうらやましいです。演奏会の10日位前から気をつけなければいけないのが弦の状態です(毎日のように演奏会をしてる方はどうしているんでしょうか?)ハープの弦は取り替えてからしばらく落ち着くのに時間がいります。ガット弦(羊の腸でできています)は特に、張り替えてから弾いているうちにしばらくまだ伸びますから、なかなか音が落ち着きません、弦を引っ張って力で少し無理に伸ばしてやれば、多少早く落ち着くのですが、演奏の当日切れたりすると曲の途中で音が下がってきそうでちょっと恐いです。コンサートというのは何があってもその時一度きりで、やり直しがきかない分緊張感もありますが、その場でしか味わえないこんな小さなトラブルの積み重ねを面白い出来事として思い出す事もあります(その時は決して笑えませんが(笑))。それがレコーディングとなるとずっと残りますから当然コンサートでは全く問題ないような音のバラつきなど、必ずチェックし又ディレクターさんにチェックされて、取り直す事が多いです。私の16歳の時の初めてのレコーディングは結構悲惨でした。やはり響きを考えてスタジオではなくホールを借り切って取ったのですが、弾き始めてすぐくらいの所で問題が発生しても、とにかく曲の最後まで弾き通すものだと思っていたので、3日目くらいでどうしようもなく指が痛くなって死にそうでした。スタッフの方はとても優しい方ばかりだったのですが、何故かだれも最初にその辺の事を教えてくれる人がいなかったんですねえ。きっと初めてだからとにかく自分で感じを掴ませようと思っていたんでしょうね。
録音は演奏の大切さは言うまでもありませんが、ミキサーの方の音の作り方というのが又もの凄く大切のようです。ホールでは何処にどの向きでマイクを立てるかで取れる音が全然違ってきますから腕の良いミキサーさんに会うと、とても幸せです。コロムビアの私の録音の時のしおちゃん(塩沢さん)はとても優秀な人で時々賞も取っています。
外国の方とのレコーディングの時は、最初はやはり腕の探り合いから入ってだんだんお互いを認め合うようになって、最後は気持ちが一緒になって一つの曲が出来上がるって感じですね。八月の録音は良い音でいい音楽が作れるようにしたいと思っています。
ハープを弾く者の一人として、まだ知る人の少ないハープのコンチェルトを少しでも多くの方に知っていただく事のお手伝いが出来たら嬉しいです。
それでは、もうすぐ夏休みだ、嬉しい!でも暑い!!あっ!それにやる事がいっぱいあって大変だ!できたら車の免許が取りたい!あ〜でも時間が〜 と思っている竹松舞でした。(2001.7.7掲載)