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舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2002.9.11掲載分)です。
ビルの谷間を空から降ってくる「すずめ」の声に歓迎されながら、新聞を配るバイク の音が、心なしか遠く感じられるのは、自分の中で秋が始まっているからでしょうか? 夜は窓を開けると、予想していたような「むっっ」とする空気の固まりではなくて、 さっと頬をなでていくような風の中に、ほんのかすかに、虫の声が混じります。お日 様が、がんがん照りつけると、「もういいよ」と思っていた私ですが、背中を向けら れると、なんだかちょっと寂しいのは、身勝手というものですね(笑)。
我家で、秋の訪れを一番喜んでいるのは、やはり龍之介であります。窓辺で、秋の空 気を一人満喫しております。彼は夏の真っ盛りでも、分厚い毛皮を着ているので、毎 日が我慢大会のようだったと思います。私のハープの木村茉莉先生の所には、金太郎 という、ワンコが居ます。これがまた、ハンサムボーイで、凄く可愛かったはずなの に、先日レッスンを受けに行くと、「えっっこれが金ちゃん?」というくらい、ちょっ と不細工になっていました。原因は先生にあって、「夏だから毛が抜けるんで、むしっ ていたから……ちょっとむしり過ぎだったかしらねえアハハ」って、可哀想にいい男、 台無しです。龍之介も母に毛をちょっとカットされましたが、むしってはいないので、 セーフでした。龍之介は自分を人間だと思い始めているような所があって、なんでも 仲間に加わりたがります。食事の時も顔がくっつきそうな程、側で黙って、私のお箸の 動きを追います。けっして、鼻も口も出さないのですが、ただだまってじっと見てい られると、凄く食べにくいです。それから、あの無意味な「お手」を教わってからや たらと、手を出すようななりました。まあ手と言っても実は前足ですが、用があると、 手を出して「ちょんちょん」とやります。とにかくほったらかされるのが嫌いで、私 が電話に出ようものなら、側でブタのおもちゃをピーピー鳴らすし、よだれで、べと べとになった、ぬいぐるみやらボールやら、次々に運んできて、自分と遊べと訴えか けてきて、とにかく邪魔をします。この前龍之介にせがまれて、鬼ごっこをしていて、 ふと、何で、牛を追うのが仕事のこのワンコを何故私が追っているのだろうという素朴 な疑問が湧いてきました。「鬼ごっこがしたいなら、龍之介、あんたが鬼のはずでしょ うが」と言ってみても通じませんでした(笑)。
先日は学校をさぼってNHKで、生演奏をしたのですが、いざ本番という時までに、サ ウンドチェックと言うので一度、ランスルーというので一度、全部を通して演奏して いるので、少し疲れてきます。指の状態とか、緊張感とか、本番に必要なものがある ので、本当は自分で練習をしていて、いざ舞台へという方がありがたいのですが、そ うは、いかないのが、コンサートとの違いですね。しかも、生なので、「演奏時間を あと20秒増やしてくださいませんか」という、難しい注文が出るのが凄いです。演 奏は、気分によって早くなったり遅くなったり、弾く度、ピッタリ同じテンポなんて ありえないのですから、本当に生番組は作っている局の方も大変ですね。セットにつ いては、弾いている私としては、舞台のように殺風景な方がありがたい所があります。 前にセットで、キラキラ光る砂のようなイメージの物を敷いて下さっていた事があっ て、弦と弦の間からそのキラキラが目に入って、とても弾きづらい事がありました。 でも一生懸命ハープのイメージで綺麗なセットを作って下さって、そのお気持ちがあ りがたいと思います。
テレビで、トークが入る時は、けっこう皆さん色々な気を遣われて大変ですね。徹子 さんとお話した時も、どうかなという言葉があって、結果的には、問題のないもので したが、差別用語にあたらないかどうか、会話の途中でディレクターさんに確認をとっ たりしていました。NHKでは、特定の企業名を出してはいけないというのはどなたで も知っていると思いますが、コンサートホールに企業名がはっきりつく所があります。 以前、会話の中で、打ち合わせでは、司会者の方がはっきりそのホール名を出されて いたのですが、多分、本番前に出さないように言われたんでしょうね、司会者がホー ル名を言わないようにしていたのに、私は何も知らなかったので、わざわざその企業 名つきコンサートホール名を出したので、その部分の会話が全部カットになっていた りしました。トークが短いと怒って下さった方がいらっしゃいましたが、短くせざる おえなかったんですねえ、これが(笑)。
私がマネージャーをしているという事を少し話題にしていただいているそうですが、 多分、皆さんが想像されるようなものとは、大分懸け離れているかもしれません。何 しろアイスホッケー部のマネージャーさんは登録されているだけで、10人を超えま す(笑)。そのうち部活に参加している人は一人ないし、二人で、私も一度だけ仕事 をしましたが、試合の合間に選手が飲むドリンクを作るくらいです。勿論、洗濯とか バンドエード貼りとか(笑)はありません。なにしろ、リンクを使えるのが、夜遅く なってからですから夜中に練習や試合をやっているので、次の日授業があったら、そ うそう参加できるものではありません。ただし、この部は強いです。私のクラスにも、 子供の頃米国でホッケーをやっていた人がいたりして、東医体では優勝しています。 他の大学の医学部でも似たようなものらしいのですが、だいたい、先輩から試験や授 業、担当の先生についての情報をもらう為に、部活動に入る人が多いと思います。私 の場合もコンサートのお仕事の話を頂いた時、一年後、或いは、もっと先だったりし ますから、その仕事がやれるかどうか判断する為に、先の学年の教育要項なんてもら えると、とてもありがたい訳です。という事で、止めてしまった、ゴルフ部の先輩で も、色々情報を下さる方もいて助かっています。
脳解剖の実習が終わりました。同じ班に、ちょっとユニークな男の人H君がいます。 彼は真面目で一生懸命勉強する人ですが、多分、お料理が好きな人なのでしょう。よ く切れるメスを手にすると、「これは良く切れるわ〜これで料理したらええやろな〜」 と言ったりする人です。勿論ただ、純粋に料理の事だけ考えて言っている訳です。で もね〜彼は全くそんなつもりでは無いようですが、実習中に、料理番組でよく知られ ている「ソッドミ ソラソミ ファッ ファッ レ〜」「テンテケ テケテケ テッ テッテ〜」と鼻歌を歌いながら、脳解剖をするのは、凄く恐い感じがするので、せめ て曲を替えて欲しいなあ(笑)と思いました。(不快に感じた方がいたらごめんなさ い)
本日は外科基本手技の実技試験がありました。やらされる事はそれぞれ、みな違うの ですが、私はガウン(手術着)の着方と縫合の試験でした。ガウンを着る試験なんて と思いますが、実際、合理的にしかも無駄なく色々な菌を付けずに着るのはそれなり に、ちゃんとした手順が必要なのですねえ。 縫合は勿論、友達の手ではなくて模型の手を使って行います。模型の手にはぱっくり あいた傷が付けられています。傷の場所、大きさにもよりますが、縫合は力がいるも のですね。
と言う訳で、この先、かなり複雑な神経の試験や生理の試験など、4科目程試験があ ります。相当、勉強が必要な所なので、じっくりやりたいと思います。
それでは次回まで、さようなら。竹松 舞
(2002.9.11掲載)
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