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舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2002.6.22掲載分)です。
兎は目にいっぱい泪を溜めます。悲しいのではないのでしょうが、少し心が痛みます。 白くてふわふわした毛のアンゴラ兎です。綿の詰まった「ぬいぐるみ」なんかではな くて、力強く心臓が拍動し、勢い良く血液を送り出し、日々生きるという営みを繰り 返してきた兎です。「ありがとう」という気持ちで、一つも無駄にしないように、しっ かり見せてもらいました。両手で、感じさせてもらいました。
「自分の心電図を読め」というレポートに追われて、右、斜横、4メートルくらいの 所で小さく、ついているテレビの中で頑張っている日本人選手に、もっと声援を送る べきでしたが、かなわないまま、日本のワールドカップは終わってしまいました。 もう、熱烈なファンではなくなってしまったので、ただ、凄い立場になったなあと思 いながら、中田選手を見ていたのですが、なんだかサッカー人生のまとめに入ってい るような感じがしました。しぼむのか、しぼむ前に散るのか、人の引き際というのは 難しいものですね。
そう言えば米国はサッカー強かったんですね。アメリカ人は野球が終わると、フット ボール(アメリカン)、それからバスケットボール、後、アイスホッケー、それから ゴルフとテニス、サッカーに興味がある人なんて殆どいないんですね。サッカーは、 イギリスで始まったスポーツだと思いますが、必ず、少しずつ形を変えたものを好む のでしょうか。 クリケットが野球に、アメリカンフットボールっていうのはサッカーとラグビーが混 ざっているんでしょうか? 米国人はこのフットボールが本当に好きですね。私はこのスタジアムの近くに家があっ たので、秋、野球が終わる頃から始まる大学のリーグが、お祭りのようだったのを覚 えています。真っ青な空にグッドイヤーのタイヤの宣伝の気球が浮かんで、近所中み んな、芝生が傷むのを覚悟で、観客ように1台3ドルくらいで、車を庭にとめさせま す。友達のローラは庭で自分が作ったレモネードを売っていました。でもこのお姉さ んは(小学生)、夏のなんでもない日に、やっぱり自分で作ったレモネードを庭で売っ ていたのですが、住宅街なので、買っている人は見た事がありませんでした。そうい えば、別の男の子で、マウンテンバイクが欲しい子がいて、お母さんに「自分で働い て買いなさい」と言われたらしく、その可哀想なお母さんが気が付いた時は、広〜い 庭中の綺麗な花を全部摘んで、近所中に売り歩いていました。 話がとんでもない所へいきましたが、アメリカのサッカー選手は、気楽なのか、寂し いのか、ちょっとよく分かりません。
私の日常はワールドカップのような、誰かと共有できる、興奮はありませんが、それ なりの重さを持って、心に響いてきます。最近は実習をやっては週に2つずつレポー ト提出、そこに時々試験が入る、というパターンが続いていますが、実習はハードな ものもあります。「神経を刺激すると血圧はどう変化するか」という実験で、さっき まで、撫でていた、可愛い兎さんの耳の静脈から麻酔薬を注射して、毛を刈って... その後はもう書けませんが、カエルの時とは大分違います。来年は薬理学の実習で、 ビーグル犬を使うのだそうです。考えただけで、今から気が重いです。他の動物には 悪いですが、犬だけは、どうしても、つらくてたまりません。
初めて、人の脳を見せてもらいました。90歳を過ぎていらっしゃるお爺さんの脳で す。クラスメイトが「厳かな気持ちで、見せていただくのだ」と言った言葉に、ます ますその、元気印の友達が好きになりました。そして、又、スケッチです。この方の 90何年の人生がここに全部、詰まっていたんです。なんて、長くて、重いのでしょ うか。多分今ではもっと高い所から、ぬけがらになった自分の体を見下ろしていられ ると思いますが、でも、目の前にあるのは、本当に或人の体の中にあって、その方の 人生を決めてきたものなんですよね。そう思うと、今凄いものを見ているんだと、感 動のようなものを覚えます。
なんだか慌ただしく、一日が過ぎていきます。もう6月も半ばを過ぎてしまいました。 来週はジャケット写真を撮ります。授業が終わってからなので、終了は夜11時くら いになるそうです。今度は寝ぼけたみ、た、い、なんて写真ではなくて、本当に寝ぼ けた顔だったら笑えますね。
という訳で、たまにしか、文を書かないのに、いつも内容が無くて、すみません。 では今日はこの辺で失礼します。
竹松 舞
(2002.6.22掲載)
掲載済みのメッセージ 2002.5.29 2002.5.13 2002.4.26 2002.4.10 2002.3.26 2002.3.16
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