舞さんからのメッセージ
 

 

舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2002.4.10掲載分)です。

 

 

 この頃なんだか、凄い勢いで、若葉の緑が濃くなっていくようです。自然の早送りを見ているみたいです。花に、君はもうちょっと、ゆっくり咲いて、ゆっくり咲いてと声をかけたくなる時があります。この地球に何かとんでもない事が起きているんじゃないかと、ふと不安を覚えます。不安と言えば、私の体もずっとよれよれ状態でした。今も後遺症が少し残っていまが、、、(笑)。家の玄関で数分、ふっと意識を失って以来、2、3日起きあがれませんでした。ここまで、過酷なスケジュールは今まで経験した事がありません。もっと早くレコード(CD)会社の人に無理だと言っておくべ きでした(反省)。でも、レコーディングは私だけではなくて、ディレクターさんやミキサーさん、アシスタントの人、みんなとても大変だったと思います。私は夜8時、9時という時間にレコーディングを終えてみなさんにさよならをして、帰宅、それから、やっぱり、夜中の3時くらいまで、ハープの練習そして、又次の日レコーディングという感じですが、スタッフの方はレコーディングの後、それぞれの楽器を別取りした物を合わせたり、差し換えたりという編集という大変な作業が待っている訳です。 その作業を夜中までするようなので、睡眠不足で、かなり疲れていたんではないかと思います。
 前にフランスで、パイヤールさん達とヘンデルのコンチェルト、ドビュッシーなどの録音をした時も、今回と同じディレクターさんとミキサーさんが、フランスの方と一緒に取って下さったのですが、オーケストラの方とか、管弦楽団の方と録音する時は、全体を一緒に取りますから、スタジオで録音する時に比べたら、編集の作業は大分楽なのかもしれません。それに、海外での録音は、あまりないようですが、スタッフの方にとっては、のびのびとやれて、開放感があるらしく、レコーデイングが全て終わった日の夜はほろ酔い加減で(私じゃありませんよ)遊園地へ行って、ブランコの長いのが、支柱の周りを遠心力で回転するような乗り物に大喜びで乗って、本当に大はしゃぎをしていたのを覚えています。思い出すだけで、笑ってしまうような、酔っぱらいでした。それに比べると、スタジオ録音は端から、端まで、仕事という感じだと思います。
 今回の録音でも思ったのですが、スタジオミュージシャンの方達って、プロ中のプロ、職人さんです。楽器一本持って、スタジオからスタジオを渡り歩いて、どんな要求にもきちんと答えていく。裏方に徹しているけれど、自分の腕には誇りとこだわりを持っているんですよね。本当に凄腕揃いです。バーバーの曲を録音する時は、弦の人数が多くてびっくりしました。これは編曲者の井上さんの、こだわりによるものなのでしょう。井上さんは、一曲、一曲、かなりのこだわりを持って作られたんじゃないかと思います。ディレクターさんがレコーディングをしながら、濃い〜〜とよく言っていました。全体を通して聴いてみてないので、客観的にはまだなんとも言えませんが、私はバーバーのアダージョとサン=サーンスのサムソンとデリラが、気に入っています。
 サムソンとデリラは歌曲ですが、メロディーが綺麗なので入れました。バーバーも私が好きで入れたのですが、珍しい事に井上大先生が今回初めて知った曲らしく、作曲者が米国人だというので、驚いていました。サムシングは勿論井上さんの推薦曲です。
 亡き王女の為のパヴァーヌは、私としてはシンプルに、弦だけの美しい感じも好きですが、カッコイイ曲に仕上がっていると思います。サムシングとパヴァーヌの録音の時のメンバーが又濃くて、お腹を突き出して歩いていましたね。編曲者の長年のお仲間じゃないかと思います。それぞれの方が家族まで連れて来ていたので、ミキシングルームのような所に人がいっぱいいて、ピクニックみたいで凄い事になっていました。録音の最後に井上さんが自分でアコーディオンを弾いて、その音を又間奏のあたりに 入れて、めちゃくちゃ、こだわっていました。
 録音スタジオは真ん中に広〜〜いスペースの所があって、その周りに小さなブースが4つくらいあります。それぞれの部屋にサックスの人が入ったり、ベースの人が入ったりというようにして、一緒に合わせて取りながら、それぞれ別々に録音する事が出来ます。私は真ん中の広い所にハープを置いてもらうのですが、弦の方が大勢入る時は、その真ん中の広いスペースを2つに分けるガラスの扉が自動で閉まり、それも別々に録音する事が出来ます。録音中は他の楽器の音は生で聴く事が出来ませんから、楽 器の横にそれぞれ機械が置いてあってそこからイヤホンで他の楽器の音を聴きながら、自分の楽器の演奏をします。リズムセクションが入ったりするもので、合わせずらい時は、その機械の別のチャンネルからドンカマと言って、リズムを刻む音を出してもらってそれも聴きながら合わせる事もあります。
 レコーディング場所はレコード会社の地上3階部分に存在するのに、お日様の顔を見る事がなく閉ざされた空間です。知らない間に夕方になって知らない間に夜になっているという感じです。
 そんな訳でレコーディングが5日間のうち4日まで終わり、残り一日をソロ曲にあてるという事で、間4日間くらい空けて最後のレコーディングという事になりました。4日目のレコーディングの次の日は浜松のイベントに行き、その次の日は教習所の路上での卒業検定試験、そして、その次の日に学科の試験で免許をいただき〜という失敗したら後が無いかつかつの時間でした。さすがに、学科試験の頃は朝からもう調子が変になり始めていて、免許を手にして嬉しいんですが、苦しいというおかしな事になっていました。最後のレコーディングの日はもう死ぬかと思っていましたが、レコーディングが始まると、どういう訳か頭がすっきりしてきて、夜8時、終わったら又おかしくなり始めましたが、次の日から新学期、気が付けば春休みは何処だ〜〜となっていました。
 いよいよ、本格的な勉強が始まります。ちょっとワクワクします。でも大変そう〜。
 とにかく落ち着く場所に落ち着いて、ほっとしています。勉強の内容は又改めて書きます。
 春です(夏みたいですが)頑張るぞ〜。

竹松 舞

(2002.4.10掲載)

 

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