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舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2002.3.16掲載分)です。
なんだか、日射しが、あ〜〜春みたいで、嬉しい。うきうきうっっ、これからコンサートだった。モーツァルト、モーツァルト。本当は凄い音であの曲が聴きたいけれど、今はモーツァルト、モーツァルト。という訳で、MDウォークマンのイヤホンを耳に入れてモーツァルト、モーツァルト。隣の車線に並んだ銀色に光るトラック。あ〜ぶたさんだ〜。うわ〜ピンクのお尻が並んでるよー。頭がこっち向いてるコもいるねえ。狭くてやだって顔してる。あ〜ピンクの耳が風になびいて自分の目を隠してる。あ〜春の風なのに、思いっきり吹かれながら、何処へ行くんだろう。やっぱり食べられちゃうのかなあ〜。あーいけない何やってんだか、モーツァルト、モーツァルト、モーツァ、ル、ト、モ〜ツァ、、、zzz.。しばし夢の国へ意識が飛んでいたと思っているうちに、もうサントリーホールの地下駐車場だ。今日のコンサートはマチネーだから、日の高いうちに始まる。だから午前中に楽屋入りで、朝が早い。サントリ−ホールの楽屋はホテルのお部屋みたいで、とても綺麗。中までハープを運び込んでもらって指ならしを始める。近くのお部屋で今日の相棒フルートのノボトニーさん(32才くらいの清潔感溢れる、ナイスガイ。チョコレートもくれたし、いい人)が練習を始める。
私は本番前によく弾きまくる方だが、この人が又よく吹きまくる。私が休んでいる時も、ノボトニ−さんがまだ吹いている音がする。そのうち部屋をノックする音。はいはい、あなたでしょ?分かってますよ。二人だけで演奏するカデンツァの練習をしなくちゃあね。しばし、ノボトニ−さんと練習に励む。そうこうしているうちに本番前のゲネプロ(リハーサル)が始まる。全ては指揮者のアルブレヒトさん(様の方がふさわしいかも)がしきる。読売交響楽団において、アルブレヒトさんの存在は絶対のようだ。N響におけるシャルル・デュトワさんなんてもんじゃないらしい。アルブレヒトさんは絶対だ。人気も凄いらしい。アルブレヒトさんがみえてから、読響のお客様は大幅に増えたんだそうだ。そこら辺一帯が緊張感に包まれている。ゲネプロの舞台の上では私が一人外国人だ。ざっと合わせて、後は本番を待つばかり。楽屋にもどって練習を始めると、近くの部屋から又ノボトニ−氏の吹きまくる音が、、。本番を待つ間の時間が私は一番嫌いだ。こうなったら早く舞台に出たいというのが、本音。
出番が近付いてくると、ドアをノックして、ステージマネージャーさんが「そろそろ時間です」と言ってハープを運び出す。もう私の手元からハープは持ち去られ、次はお客様の前で、舞台の上で会う。さあいよいよ。アルブレヒトさんに続いて舞台に出て行く。ここからが勝負。そして最後の音をプラハ管弦楽団の人、ノボトニーさんと弾き終える。おわった〜。アルブレヒトさんに舞台の上で握手を求めたら、思いっ切り褒めてくれて、顔を挟まれて両頬に軽くチュッ、チュッとされた。ノボトニーさんとも軽く抱き合う。終わった良かったという感じ。彼のフルートは素敵だ。
あ〜モーツァルトが終わった。延々と続くエチュードのようなハープ。モーツァルトはこんな複雑な音では書いていないらしい。ハ−ピスト自身が弾く度もっと、もっとと自分のテクニックを披露する為に、どんどんよけいな音がついて、今の形になったようだ。なんだか、迷惑な話だけれど、モーツァルトがハープの為にかいた唯一の作品なのだから、宝物かもしれない。コンサートはまだまだ続く。2時に始まり、夜9時までだそうだ。今日が最後だけれど、アルブレヒトさんは今日迄、3日間棒をふり続けている。この後は読響の棒をふる。凄い人だ。それにしても、モーツアルトはどうしてこんなに愛されるのだろう。天才だからかなあ、。私がモーツァルトの書いた、フルートとハープの為の協奏曲が好きか,ですって?それは言えないなあ〜。ひ、み、つ。
3月3日のコンサートに来て下さった皆様ありがとうございました。私も東フィルさんのシェエラザードを聴きたかったです。東フィルさんの弦と管のあの束になった美しい音で心臓の辺りをぎゅっと掴まれると、もうたまらない気分になります。理屈ぬきで、本能的に好きだと思えるメロディーってありますよね。
美しいお花をありがとうございました。
(ここはロック野郎の会話です)
ELPを知っているかですか?勿論です。小学校の時の家庭教師の東大生に、どこが素晴らしいか、聞かされました。私の親も知っています。エマーソンとレークとパーマーでしたっけ、違っていたらすみません。それにしても皆さん音楽の話になると色々の分野から語りますねえ。機械で作る音っていうのも面白いんでしょうね。
ハープに関する御質問もあるので(例えば弦の張り替えとか、高下駄を履いて練習するのか?とか、、、)次の機会に書きたいと思います。それでは又次回までお元気で。竹松 舞
(2002.3.16掲載)
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