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お日様が起こしにくる朝が大好きです。鳥達もなんだか張り切っていて、チュンチュ
ン、ピーピー騒がしいです。斜め前のお家のワンちゃん（大介ではありません）は、
朝ご飯の時間が近づいてきたので、時々鎖の音をじゃらじゃらさせながら、体中、耳
にして、家の中の気配を伺っています。お日様の中を走り抜けて行く自転車は時々、
キラッキラッと光ります。 前の晩、どんなに激しく雨が降っても光の中で新しい朝
が始まると、なんだか嬉しくなります。あ〜でも今日は組織学の試験があるんだった。
試験は面倒ですが、そんなに捨てたもんじゃありません。落とされない程度の勉強が
終わる頃から、だんだん面白くなってきます。もっとよく分かりたくなってきて、
勉強って面白かったんだと気付いたりします。今は基礎医学の先生の講議を聞く事が
多いのですが、基礎の先生方はご自分達独特の共通語で喋りますから、その言葉は私
達生徒との共通語ではなかったりします。知らない物質を知らない言葉で説明されて
、？が飛び交う事もしばしばです。化学式も今迄、普通にお目にかかるような物質で
はないもので構成されているので、先生の説明を必死で聞いているのですが、時々、
「何、何、今、日本語飛んだよね、えっっ」なんて事もしばしばです。澱み無く板書
して、澱み無く喋る先生が、全て講議が終わった時に必ず、部屋の隅の方へ行って手
を洗うので、それを見て「ああ講議終わったんだ」と分かるという情けない事もあり
ます。この分野の先生方は、本当に針の先のような世界に分け入って、深く深く掘り
進んで行くので、きっと頭の中を構成しているものが、自分が普段見ている物質とは
全く違うもので、できているんだと思います。 寝ても覚めても一つのテーマを追い
続けているのでしょう、それはそれは凄い情熱で！！
実習では色々な組織を見ます。それは、牛のものであったり、人間の胎児のものであっ
たり、白い大きなマウスのお腹から取ったものであったりします。顕微鏡（自分の顕
微鏡が決まっています）を覗いていると、一瞬世界が変わります。例えば、そこに繊維
芽細胞が見えると、「ああこれが、繊維を吐き出しているんだなあ」と思って見てい
るうちに、自分が頭の中でいろんな事を考えて、喜んだり、悲しんだりしている間、
体の中ではそんな事におかまいなくせっせ、せっせと新しい繊維を作ったり、器官を
働かせたりして、私を勝手に動かしているんだなあと不思議な気分になります。自分
てなんだろうと思うと、しょせんは４０億年くらい前の古代の海に浮いていた、アミ
ノ酸の固まりなんだなあ、なんて思えてきます（笑）。
外科基本手技という授業があります。まだ始まったばかりなので、模型を使って、切
開したり縫合したりという所へ行く前にとりあえず、生徒同士で、採血をします。自
分の腕に模型の腕をつけて、そこへ針をさして、中の液体を抜く練習をしてから、本
物の友達の腕に針を刺します。６年生の先輩方や新米の先生方が沢山指導にきてくれ
ているので、 隣で「そこだ、よし引いて」などと声をかけてもらいながら、長野高
校出身の、怖がるT君の腕に注射針をさしました。男の人の血管は浮き出ているので、
とてもやり易いのですが、私の血管は見えないので、ぺんぺん腕を叩かれているうち
に、やっと出てきました。隣にいる先生か生徒か分からない人に「どうして叩くと血
管が出てくるんですか？」ときいたら「どうしてだか分からないけど、出てくるんだ」
と言っていました（笑）。採血をされて、どう考えてもバリバリ元気な友達が、貧血
で長椅子に寝ていました。夏休み後に本格的に解剖の授業が始まったら、具合が悪く
なる人も出てくるんだろうなあと、今から想像しています。
私は好きな番組を一つ二つとっておいて、週末に見る以外、殆どテレビを見ないので
すが、もうすぐワールドカップが始まるんですね。中村選手はどんな気持ちでこの時
期を乗りきるのでしょうか？次のワールドカップに日本が出られるという保証はどこ
にも、ないのに。彼に足りないものは何となく分かるのですが、人は大舞台に立つと、
そこで、一回り大きくなりますよね。そういう経験をする価値のあるレベルの人には
見えるんですけどね。トルシエは評判が良くないのですが、同級生によく似た人が居
ます（勿論、顔です）（笑）。ついでに、皇太子殿下に似た人もいます。
それでは、日本がワールドカップで、予選を通過できるように応援したいと思います。
竹松 舞
（2002.5.29掲載）
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