舞さんからのメッセージ
 

 

 舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2007年11月6日掲載分)です。

 

 

 今、外科を廻っています。ちょうどこの時期は何人かの先生がグアムや韓国などの外の病院に手を貸すのに出払ってしまっているため、ほとんどT先生とのマンツーマンです。アメリカの外科医はというと、よく怒鳴り、よく物を投げ、短気で、、、というネガティブな表現しか耳にしたことがないような気がしますが、この先生もその典型的な"外科医"タイプの医者です。オペ室では傷を閉じる際、「タケマツ、その出血を止めろ、コノヤロウ!」と大声。すぐ向かいにいるのに。止血してもまだしばらく血がにじんでいたので出血部位を焼いていたら、「もうそこはいい!こっちがもっと出血してるぞ、バカヤロウ!」と叫びます。でもこの先生はこれが愛嬌なんです。怒鳴られてもなんだか笑いがこぼれてしまいそうになります。外科の一般的な評判を聞いていた私は外科を廻るのがものすごく楽しみな反面、どんなローテーションになるのか不安でしたが、ここに来て彼と一緒に働き、彼を人間としてとてもすきになったので今は心の中がいつも笑顔です。もちろんオペ室ではメスを一回一回進める度に質問の連続で、日本語では答えられても細かいすべての解剖を英語で的確に答えるにはそれなりの準備が必要でオペ室に入る前の空き時間は、龍之介の体重くらいはありそうな重たい本を図書室から引きずってきては読み漁っています。オペが終わると、私が自分よがりに間違って頭に叩き込んでいた糸むすびを特訓させられます。片手結びはかっこよく見えますが、絶対に両手結びには敵わないとの事。きれいなsquare notを理解させるため、彼は自分の穿いているスクラブ(手術着)の腰紐を使って説明を始めました。私も彼の横にならんで自分のずぼんの紐をあらゆる方向に引っ張りながら悪戦苦闘。しばらく練習してOKが出ると、次は本物の糸で。手術室からたくさん盗んできた糸を診察室の椅子にくくりつけて結びまくる。その糸結びをチェックし、ピンと糸にテンションがかかりすぎだ、と言ったDr. Tはおもむろに立ち上がり、自分の黄ばんだコーヒーカップを「うわぁ、きたねぇな」と大声で言いながら洗い、今度は水を張って持って帰ってきました。そして「割るんじゃないぞ」と警告した後、このカップの取っ手に糸をかけ水をこぼさずに糸を結ぶように言うのでした。彼とのやりとりは最高です。また機会を見つけて書きたいと思います。あっさりしていてごめんなさい、、、、。ではまた!

竹松 舞

(2007.11.6掲載)

 

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