舞さんからのメッセージ
 

 

 舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2007年6月27日掲載分)です。

 

 

 気がついたらもうすぐ6月も終わりです。外は既に真夏の暑さ。私が住む寮の近くの並木道では小鳥たちがソプラノのソリストの発声練習のように思い切り高い声で鳴いて、遊びまわっています。毎朝私を起こすのはその小鳥たちです。建物の上の階では血気盛んな若者たちがウエイトリフティングのようなものをやっているらしく、夜遅くまでどっすーんどっすーんと鈍く重い音が響いてきます。

 基地内を歩いていても、外科の先生などが走ってトレーニングをしている姿をよく見かけます。軍で働く人間はみな定期的にスポーツテストがあり、年齢によって切らなければならないタイムなどが厳しく決められているので、医者でもみな年がら年中運動を欠かしません。そうして日々からだを鍛えまくっている人たちが患者さんとしてくるのですから、診察するこちらとしてはたまりません。だって体が大きすぎるんです(笑)。診察台は最初から日本の診察室にあるような台の高さの倍はありますから、そこに座った巨体の患者さんの目や耳を覗くのは至難の業です。筋力検査をしようと相手に握りこぶしを作ってもらい、私がひっぱるから負けないように引っ張り返して、と伝えても患者さんは私に力加減をする始末。くやしいけれど、この人たちを相手に整形外科はできないなと痛感する日々なのであります。

 私が今廻っている内科でしばらくついている先生はとても日本語が上手で、私が日本人の患者さんと日本語でやりとりしていても大体内容がわかるようです。舌も日本人の味覚に近いらしく、この間は病院にぬれせんを持ってきて(シブい)、corpsman達に食べさせていました。「ぬれせんどうだった?」と先生がきくと、「なんか、古くて固くなったギョウザみたいだった」と面白すぎる感想(笑)。彼らの味覚は新鮮です。

 この先生はブルース・ウィリスに似て、横顔なんか鷹のように鋭いのに、とても陽気で病棟でダンスのステップを踏んだり、ポケットには大豆の袋の口を洗濯ばさみで留めて持ち歩き、診察の最中に患者さんに勧めたりしている、なんともとらえどころのない先生ですが、私は彼がとても好きです。先日はお昼の時間帯にレクチャーがあり、先生と並んで座っていたのですが、私がかかってきた電話に出るために席を外している間に、私がカフェテリアから大事に持ってきていたクッキーを平らげるというひどいことをしてくれたのです。私が帰ってきて怒ると、「悪くなりそうだったから食べておいたよ」と言い訳。気前よく大豆は勧めてくれるけれど味がないし、クッキーを返してください。

竹松 舞

(2007.6.27掲載)

 

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