舞さんからのメッセージ
 

 

 舞さんからファンのみなさんへのメッセージ(2003年3月21日掲載分)です。

 

 

 モーツァルトを弾き終えて、2、3日が経ちました。指の血豆が弦を触っても痛くない程度に快復しました。又新たな気持ちでハープに向かっています。
 モーツァルトは、ハープにたった1曲だけコンチェルトを残してくれました。目的は多分そんなに、崇高な理由ではないでしょうが、大切な一曲です。最近まで比較的この曲はゆっくり演奏されていたようですが、オーケストラのレベルが上がるにつれてなのか、世の中のテンポにつれてか、とても速く演奏されるようになってきました。前に御一緒したベネットさんが仰っていたのですが、フルート奏者にとっては、長く息を吹き込む事が大変なので、演奏が速くなる事は歓迎される事のようですが、ハープ奏者にとっては必ずしも歓迎とまではいいきれません(笑)。確かに、ずっと弾いていると演奏はどんどん速くなっていきますし、ある程度のテンポがないと上手くリズムに乗れないという面もあります。この曲は言ってみれば、スキーのモ−グルのようなもので、一度乗り損ねるともう大変な事になります。それでも30分近く、エチュードを引き続けるような、この曲はなんだか可愛らしいとさえ言えるメロディーからは想像もつかない程、多くのものを演奏者に要求してきます。毎日毎日、夜の12時くらいまで、御近所の迷惑も顧みずハープに向かって、「よしいける!」と思えたのは、コンサート3日前くらいでした。大先輩からも「この曲で、指を壊さないように」というお言葉を頂いたのですが、そういう事を起こしかねない曲だというのが、何度弾いてもよく分かります。最後の楽章になっても速いテンポで指が弦の上を飛びまくる所があるので、体力勝負という感もあります(笑)。肩はパンパンで、表面をちょっと触られただけで、びりびりくる感じだったので、やってはいけない事ですがつい演奏を待つ時に、本番でも肩をほぐそうとしてしまいました(反省)。オーケストラに時々音をかき消されながらも、次の日に演奏をする事がない事を良い事に、思いきり指が壊れそうなくらい弦をはじいたので、みごと血豆が出現しました。終わって、舞台の袖でスタッフの人達から御褒めを頂き、そこで気分が解放されました。
 東京フィルハーモニー交響楽団さんは、お客様が希望されれば、終わってから楽屋にお迎えしても良いという形を取って下さっていたので、何人かの方と直接お話ができました。○○さんは金髪だったんですねえ〜。
 5月の連休中にレコーディングをというお話なので、これからは、そちらの曲にかかります。この先はできる範囲でコンチェルトというものだけではなく、ハープに合った大きさのホールでハープにあった響きの場所で、もっとこじんまりとしたコンサートの事も考える必要があると思っています。自分の中にちゃんと貯金を作って、そこから良いものを出して、聴いて頂けるように、まず貯えをしようと思います。色々なものに感ずる心をもたないといけませんね。
 もう春です。なんだか分かりませんが、新しい事が始められそうで、心が浮き立ってきます。そう、本当になんだか分からないのですが・・。これからも生きている限りは日々完全燃焼を目指して、燃え尽きた日は又次の日から燃えはじめる事をめざして、一日、一日自分の時間を燃やしていきます。(いけたらいいなあ〜)。だって春ですもの。

竹松 舞

(2003.3.21掲載)

 

掲載済みのメッセージ

2003.2.28 2003.1.29 2003.1.21 2003.1.7

2002年掲載分

2001年掲載分


舞さんへの質問・メッセージは、掲示板またはメール送信用ページをご利用ください。

 

 トップページへ