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舞さんからファンのみなさんへのメッセージです。
ご無沙汰しております。みなさまお元気でしょうか。
アメリカに経つ前に文章を書いて以来、新しい地での生活の立ち上げに追われる日々と、ここにメッセージを残していいものかとの自問もあり、なかなか文を書けずにいました。
レジデントの生活、時に厳しくもありますが、楽しく学んでおります。日々、すべてが新しく、有意義に過ごせている気がします。
こちらで生活を始めるには車の免許のことやら電話線やら何から何までどたばたとしましたが、ちょっと最近の話。ちょうどハロウィーンの前日、かぼちゃを切っていてついでに指まで切ってしまった女のひとがERに来ました。同じチームで働いていた医学生の子がその患者さんを診ていたのですが、その子の縫合を監督してほしいと指導医の先生に言われ、一緒に処置をすることになりました(こんな私でももう学生を教えるのですねぇ、、しみじみ)。患者さんと旦那さんが痛々しい傷から顔をそむける間、傷の洗浄や麻酔、縫合の仕方を教えながらようやく処置がおわりました。微量ではあるものの指から出血もしていたので手の下にひいていたシートは結構血まみれに。終わったよ、との声を掛けると、縫合の間、顔を壁に向けていた彼女が終わった安堵とこの非日常の体験による興奮に、敷かれていた血だらけのシートを見て、「あら!これ明日のハロウィーンに使えるわね!」と頬を紅潮させていました。思わずにっこりでした。
昨日は腹痛と黄疸で来た患者さんがERにいる間に状態が悪化し、緊急で初めて咽喉に呼吸のチューブを入れました。患者さんに麻酔のかかった状態ではなんどか経験はしたことがありましたが、実際に必要に迫られての気管挿管は初めてでした。自分にだけ見えている気管の中にすぅっとチューブが入る瞬間はなんともいえない気持ちになったものです。その興奮が多少残っていたせいか夜はなかなか寝付けませんでした(笑)。
何はともあれ、辛い日もありますが、学ぶことがとても楽しいです。明日もいい日でありますように。みなさまお元気で。(2009.11.28掲載)
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