聖教新聞 2002年9月30日(月)付
 





(写真提供:聖教新聞社)

新盤「バヴァーヌ」が好評

ハープ奏者 竹松舞

 時に軽やかに、時に深々とした呼吸で、全身を使い、弦を弾く。やさしく心地よい響きが 聴くものの鼓動に寄り添うように語りかける。初々しい喜びの歌も、もの悲しい秋の調べも−。
 竹松舞、若き人気ハープ奏者。現役の医大生でもある。愛くるしい瞳の奥に、柔軟にして 旺盛な探究心の光を宿す。
 親しみやすい、美しく多彩な12曲を収めた新盤「パヴァーヌ」(日本コロムビア)が好評だ。 バーバー、サン=サーンス、ラフマニノフにジョージ・ハリスン・・・・・・どれも“非ハープ作品” ばかりの意欲作。井上鑑が編曲を手がけた。
 「井上さんが調味料いっぱいに味付けしたら、とてもおいしかった(笑い)。ハープ向きで はない曲を取り上げるのは苦労もありましたが、今までにないハープの使い方が発見できたり ・・・・・・。選曲は、“旋律の美しさ”“心に訴えかけるもの”に、あくまでこだわりました」
 現・日本ハープ協会のヨセフ・モルナール会長に師事したのは9歳の時。先生は、細かい注意は あまりせず、のびのびと弾かせてくれた。
 「“表現できる楽しさ”を教わりました。クラシック曲でも、自分の中の“波”を全面に出し、 ノッて弾くのが大切だと思っています」

音楽と医学の両立−−
果てなき探求に無限の喜び

 音楽と医学の両立。忙しいのは苦とは思わない。ともに、突き詰めることに果てのない道だ からこそ、新しく得られる喜びにも際限がない。
 「医学部での勉強や研究は結局、ヒトの体のことを学んでいるんです。つまり人間は、自分の ことすらよくわかっていない。音楽も医学も、自分の中にあるものを考察していく必要があります。 そこに大きな魅力を感じているのです」
 解剖の検体となるウサギにも感謝の気持ちを忘れない。厳かさを痛感させられる生々しい体験の たびに、たくさんのことが頭をよぎる。
 「私の通う順天堂大は、もともと日本で一番歴史のある私立の病院。たとえ完治が難しくても 最大限の手を尽くすというのが伝統精神です。その長い歴史の線上に、わずか“点”かもしれない けれど私はいるのだから、自分のできる精いっぱいのことをしたいと思います」  




=平成14年9月30日(月)付
聖教新聞「芸能のページ」より転載=
(聖教新聞社より転載の許諾済)