クローズアップ人体(4)(耳のはなし)
(続き)

 ここで、ちょっとラビリンスについてなのですが、その役割は音を伝える事だけでは ないのです。ぐるぐるの迷路の横にはループを描いた別のタイプの迷路があって、わ たしたちの体が傾くことでループ型迷路の中にもある特殊な毛が曲げられます。そし てその刺激が脳に伝えられると、我々は自分の頭が今どっちに向いているかを把握す ることができるのです。このため、耳のある部分が損傷するとわたしたちはめまいを 訴えることになります。

 あぁ、そういえばわたしたちが耳の存在をひしと感じる場面がありましたね。飛行機 にのった時です。飛行機が離陸すると外の気圧が下がって鼓膜がつっぱって痛いです ね。なんで痛いのかというと、鼓膜の両サイドでの圧が変わるからです。少し詳しく 説明します。

 冒頭でお話した個室、実は秘密の出口がありました。そこから細くて狭い回廊をぬけ ると口の中にでられるのです。正確にはもうちょっと喉の方ですが、普段こちらの喉 側のドアは雑菌を耳に行かせないように閉まっています。そのためわたしたちが勝手 に飛行機なんかに乗ると、気圧の変化に曝されて鼓膜が外側に引っ張られてしまうの です。だから痛い。

 そんな時はどうしていますか?わたしは小さい頃、唾を3回ゴックンしなさいと教わ りましたが、だいたい3回飲む頃にはつばがなくなっていました。まぁ回数はともか く(笑)、どうして「ゴックン」をすると耳が直るのでしょう?

 つばを飲み込むと口蓋帆張筋という筋が収縮することで狭い通路が開くからなのです。 通路が開いてくれれば、鼓室と外気の圧差がなくなって耳がつまった感じが解消する 訳です。

 ちなみにこの通路、耳からでる管なのでそのまんま、耳管というのですが、こどもと 大人ではその長さも違えば、位置も変わります。こどもでは大人と比べて耳管は短く、 耳からの入り口と喉への出口の傾斜がなだらかで、ほぼ水平です。このため、こども が風邪をひいたりして鼻をすすると、鼻水が簡単に耳に流れこみやすいので中耳炎の 原因になるわけです。子どもの頃、まわりで中耳炎に罹って学校を休む友達が何人も いたのはこういう訳だったんですね。(図5)


 というわけで、耳の話をしてみましたが、いかがでしたか?ちなみに鼓室の中にある 骨というのは耳小骨というのですが、これはわたしたちの体の中で一番小さな骨なん だそうです。今日のトリビアです。
 ではまた

(2004.8.2掲載)

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