クローズアップ人体(1)
(続き)

 さて老廃物の排泄に続いて、血液の量はどうやって調節するの でしょう?単純な話、おしっこをたくさん出せば血液量は減るし、 おしっこをちょっとしか出さなければ血液量はあまり減りません。 例えば脱水を起こした人では血液が減っては困るので腎臓は尿をた くさん作らないのです。では作る尿を減らすのはどうすればよいでしょうか?腎臓に 運ばれてきた血液から濾された「おしっこのもと」から水を取り除いて、又血液中に 戻してやる必要があります。 でも水を血液中に戻したいからと言って水をただそのまま送り 返すのではありません。腎臓はナトリウムイオンを使うのです。ナトリウムを血中に 移動させると水がぼくも一緒に、とばかりについていくのでナトリウムイオンをえさ に水を血液に送り返してあげます。く すりである利尿薬はこの原理を利用してナトリウムイオンの再吸収 をじゃまして水を体内に溜めないように働くものが多くあります。

 腎はおしっこを作る他に意外な仕事をしています。その事につい て少し述べて今回はひとまず締めくくろうと思います。その働きと いうのは血圧をあげる仕事、そして赤血球を作る仕事です。腎臓で はいままで述べてきたろ過装置の他にもう一つ特殊な装置を持って いて、そこで血圧の変化を感じ取ります。血圧が下がるとその装置 がレニンという物質を分泌させます。レニンは血液中に不活性で存 在しているアンギオテンシノーゲンという物質に作用して最終的に アンギオテンシン2に作り替えて、この物質が腎臓でナトリウムイ オンの再吸収を促進するホルモンを副腎から分泌させるのです。 上で述べたようにこのホルモンのはたらきでナトリウムイオンが再 吸収されることによって水がつられて血液に戻ります。そして血 液量が増えて血圧が無事上がってくれるというわけです。

 もう一つの赤血球をつくるはたらきについて。御存知の方もたく さんいらっしゃると思いますが、赤血球を実際作っているのは骨で す。正確に言うと骨髄です。腎臓はあるホルモンを分泌して骨髄に 赤血球を作ってくださいよ〜と頼むのです。しかしこれにも血圧を 上げた時のように赤血球を作らなきゃ!という刺激が必要です。それ が体の組織中の酸素の量です。酸素の量が減ると腎はそれを察知し てホルモンをだすというわけです。マラソンの選手が高地トレーニ ングをするのは、腎臓に酸素不足を感知させて赤血球をたくさん作 ってくれるように骨の造血組織に頼んでほしいからなのですね。そ うすれば一度にたくさんの酸素を運ぶことができてラクに走れると いうわけです。腎臓は赤血球をつくるお手伝いもし、使えなくなっ た赤血球のあと始末もしていたのですね。

 というわけで今回は腎臓を取り上げてみたのですが、いかがでした か?基本的なことが主でしたが、そのうち機会があれば細かい疾患についても書いて みたいと思います。

竹松 舞

(2004.4.19掲載)

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